※この文章は、お客様より頂いたお手紙をもとに当事務所が編集したものです。
プライパシーの保護のため、内容を一部省略・変更してあります。
なお、掲載にあたってはお客様よりご承諾をいただきました。

田中様(仮名)は、当事務所のお客様です。
田中様のお父様は、この前お亡くなりになりました。
田中様のご家庭は、2世帯住宅で、お父様のご夫婦と田中様のご夫婦にお子様二人がおられました。
お父様は、若いときから至って健康で、会社勤めをリタイヤした後は、町内会やご自身の趣味を元気にこなされていましたが、突然倒れてからは病院に入院されていました。
田中様は、会社にお勤めで、管理職待遇の技術者として社内で重要なプロジェクトの立ち上げをまかされていて、毎日忙しく働いていました。
そのような時に、お父様が亡くなられたのです。
田中様は、会社から5日間の忌引休暇を取って、 お葬式やらその他死亡届に続く埋葬許可など、諸々のすべきことを執り行いました。
取り敢えず、緊急にすべきことは、終わったように見えました。
ところが、忌引休暇の最後の日に葬儀社が集金に来ることになっていたのですが、その準備をしている時に、たいへんなことになってしまったのです。
その日、田中さんは、葬儀代金に充てる目的で、お父様の通帳を持って銀行に行き所定の手続をしたのですが、現金を引き出すことが出来ませんでした。
なぜ現金を引き出すことが出来なかったのか?
それは、銀行が、お父様が亡くなったことをすでに知っていたのです。
銀行の窓口の担当者からこう言われたのです。
「亡くなられたお父様から相続人全員のつながりが載っている戸籍謄本、除籍謄本などをそろえて、相続人全員の同意書、協議書に全員の署名と実印を押して、印鑑登録証明書を添えて、提出してください。」
このような書類は、今すぐ揃うわけはなく、田中様は、引き出しを断念し、自分の銀行口座から現金を引き出して、葬儀社への支払いを済ませました。
このような出来事に出会って、田中様は根っからの技術者でしたので、相続に関する手続を徹底的に調べ始めました。そして、調べたこと、気づいたこと、疑問に思ったことなどを紙に箇条書きにしてみました。
- 1.なぜ、父親の銀行預金が、引き出せないのか?
- 2.なぜ、父親から相続人までつながる戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本が必要なのか?
- 3.今後、父親が亡くなったことのために、どのくらいの量の手続・行事があるのか?
- (1)死亡届 → 埋葬許可書済み
- (2)葬式一式済み
- (3)初七日法要 → 告別式で実施済み
- (4)葬式代金の支払い済み
- (5)借金の調査特に個人事業主だった場合、借入金はあったか
場合によっては、相続放棄手続 - (6)健康保険の手続
- (7)生命保険の受け取りと手続
- (8)年金の手続ともらい方
国民年金 厚生年金 共済年金 老齢基礎年金 老齢基礎年金
遺族基礎年金 寡婦年金 死亡一時金 遺族厚生年金
中高齢寡婦加算等 - (9)相続税は、かかるのか? かかるとしたら、いくらか?
- (10)確定申告の仕方
- (11)会社に勤めていた人の場合は、会社に対する手続
- (12)停止・返却の手続が必要なもの
自動車運転免許証 船舶免許 航空機等操縦免許
測量士その他の士業登録 無線免許 クレジットカード等 - (14)名義変更手続が必要なもの
土地・建物 借地権 借家権 自動車 ゴルフ会員権 電話 携帯電話
市外電話サービス インターネットプロバイダー契約 電気 ガス 水道
公団賃貸住宅 公営の賃貸住宅 株式 定期性預貯金 普通預貯金
生命保険 損害保険 個別賠償保険 NHKの受信契約 等 - (13)49日又は35日法要 納骨
- (14)祭祀の継承(仏壇とお墓の維持管理)
- (15)遺産の分割と配当に付随する事務・手続
- 4.これら前述の手続をする上での問題点は、なにか?
- 5.もしも、これら前記の手続を怠ったらどうなるか?
- ・相続税は、期限までに申告と納税をしないと、延滞税が余計にかかる。
- ・権利の喪失
- ・借金がある場合は、知ってから3ヶ月以内に相続の放棄の手続をしないと、
もう相続放棄は出来なくて、莫大な借金を背負い込む恐れがある
・・・など
このように、田中様は、正確性を好む技術畑の人でしたので、自分の疑問をいろいろな方法で調べ上げたのでした。
そして、次のとおりの結論と疑問点をみちびきだしました。
- 1.すべての手続は、自分で出来そうだが、それぞれに手続の前に十分に調べていかないと手戻りとなり、相当時間がかかりそうだ。
- 2.今日は、忌引休暇5日間の最後の日で、明日からは仕事である。仕事は、重要な局面に差しかかっていて、もうこれ以上仕事は休めない。
- 3.手続は、郵便でも出来るものも多いようだが、書類の作成はなれておらず、記入方法がわからない部分があるし、修正や補正が必要になるだろうから、直接出かけてした方が早い。
- 4.役所や銀行が開いているのは、原則平日の昼間のみである。土日にやっている場所もあるようだが、職員は当番制で担当の職員でない場合、「平日にもう一度来て欲しい」と言われる場合が多いようだ。
つまり、手続には事実上、平日担当者がいる時に窓口に行かなければならないということになる。 - 5.父親の相続人は、母親(父親の妻)、長男の自分、妹の3人。妹は、結婚して他県で暮らしている。
妹が嫁いだ後に自分が結婚し、自分と妻、そして両親の4人で相談して2世帯住宅を建てた。
その底地(土地)は、お父様お1人の所有だったので、底地の所有権の4分の1を妹も権利を持っていることになる。 - 6.当然、妹は、預貯金など他の相続財産についても、4分の1の権利を持っている。
しかし、自分は、晩年の父親の面倒を見てきたし、生活費や医療費などもかなり負担してきた。嫁も、父親との仲は悪くはなかったとはいえ、かなり気苦労はあったようだ。遺産を、ばっさりと割合で分けるという法律の考え方にはもやもやとした違和感がある。どうにもならないのか。 - 7.父親の預金が引き出せなかったので、葬儀費用は自分が支払った。
お香典があるとはいえ、かなりの出費である。葬儀費用の精算は、出来るのだろうか。
また、出来るとすれば、誰とどのように話をすればいいのだろうか。 - 8.この間、妹に会った時、しきりに子供の教育費がたいへんだとこぼしていた。
妹との話で、変な方向へ話が行かないとも限らない。
そんな具合で、妹に、相続財産の分割の話を切り出すのは、気が重い。

ここまで、結論と疑問点を書き出して、田中様は、
「明日からは、もう会社へ出なければなない。会社では、忌引休暇で自分がいなかった分、かなり部下に無理をさせた上、仕事の遅れを取り戻さなくてはならない。それと並行して相続の手続を平日に出来るのか?そして、妹とうまく話がまとまるだろうか?」
などなど、考えるととても不安になったそうです。
そんな時に、インターネットで当事務所のホームページをご覧になって、当事務所の無料相談をお申し込みになり、いっぺんに自分の抱いていた疑問と不安が吹っ飛んだそうです。
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